角交換振り飛車

角交換振り飛車とは


従来の振り飛車は、角道を止めて飛車を振るのが普通だったのに対して、角道を開けたままだったり、角を交換したりするタイプの振り飛車を総称して、角交換振り飛車と呼んでいます。

広い意味では、石田流やゴキゲン中飛車もこの定義に当てはまりそうですが、通常は独立性が強く、別の戦法として扱われることが多いと思われます。角頭歩突き戦法や新鬼殺しなども近い関係にあり、さらには一手損角換わりや阪田流向かい飛車とも接点が有ると思われます。


通常角交換振り飛車は、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩(1図)の局面から始まります。

(1図)
▲7六歩△3四歩▲2六歩
(初手より▲7六歩△3四歩▲2六歩まで;1図)

1図は、角交換振り飛車以外にも多くの戦法の出発点となっています。ここで△4四歩なら後手振り飛車模様、△8四歩なら横歩取り模様、△3二金なら後手一手損角換わり模様、△3五歩なら後手石田流模様となります。

肝心の角交換振り飛車ですが、1図から、△3三角、△4二飛、△8八角成、△9四歩、△5四歩などから始まります。それぞれ順番に見ていきます。

なお先手番の角交換振り飛車については、2011年現在まだそれほど確立していないと思われますが、別に項目を設けてまとめたいと思います。



4手目△3三角戦法

まずは4手目△3三角戦法からです。

(2図)
Yonteme_San-San_Kaku_senpou_1
(1図以下△3三角まで;2図)

2図は後手が角道を止めずに△3三角と上がった形です。

従来の常識では、▲3三角成と角交換されると、△同桂となりその形があまり良くないと考えられていましたが、実際に咎めるのはそれほど簡単でなく、後手から△2五桂ポンの形も普及しました。一時的には大流行しましたが、現在でも潰れたわけではなく、時々は実戦に現れています。

2図では▲3三角成△同桂と角交換する形と、▲2五歩や▲6八玉、▲4八銀などと角交換せずに駒組みをすすめる指し方が有ります。

角交換した場合は、以下先手の選択肢として▲2五歩、▲6八玉、▲7八金、▲9六歩などの指し手が有効とされています。後手は形によって△2二飛が成立したりしなかったりします。△2二飛以外には、△4二飛、△3二金、△4四角などから、四間飛車、中飛車、居飛車などにします。

角交換しない場合は、後手は向かい飛車をはじめ、振り飛車で指す展開が主流ですが、角換わり模様で居飛車にする進行も有ります。


4手目△4二飛

次は4手目△4二飛のオープン型の四間飛車です。

(3図)
Open_ShikenBisha_1
(1図以下△4二飛まで;3図)

この形は、現在では特に藤井先生が良く指しておられます。後手の指し方としては、どこかの段階で△8八角成か△3三角として駒組みを進めます。

3図以下の進行の一例を挙げると、▲2五歩△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉▲4八銀△7二銀といったものが有ります。この後または、手順の途中で△8八角成か△3三角とする訳です。

△8八角成とする場合は、△3三銀型を作り、玉を美濃囲いか穴熊囲いに囲って、向かい飛車に振り直して戦うのが主な指し方です。

△3三角に対しては、先手は角を交換する指し方としない指し方が有ります。


4手目△8八角成

3番目は4手目に後手が角交換する形です。

(4図)
Yonteme_Hachi-Hachi_Kaku_nari_1
(1図以下△8八角成まで;4図)

5手目は▲同銀と取り、次に後手は△2二銀~△3三銀とします。先手は▲7七銀か▲6八玉から陣形を整備すると思われます。後手は△3三銀まで組んだ後は、幾つかの指し方が有ります。

1つ目は、△4二飛で一旦4三の歩を守り、美濃囲いか穴熊囲いを作る指し方です。後手はどこかの段階で向かい飛車に振り直す事が多いのですが、△4四歩~△4五歩と伸ばす指し方も有ります。狭義の角交換振り飛車はこの形を指すことも有り、レグスペと言われる形もここから派生します。

2つ目は△2二飛と振り、▲6五角と打たれても△7四角と切り替えして大丈夫だと言う指し方で、通称ダイレクト向かい飛車と呼ばれています。このダイレクト向かい飛車の形は、下の△9四歩~△9五歩と伸ばした形でも現れます。

3つ目は△3二金、△6二銀などから一手損角換わりにする指し方です。この指し方も後手としては有力な指し方と思われます。


4手目△9四歩


4番目は4手目に△9四歩と突く形です。

(5図)
Yonteme_Kyu-Yon_Fu_1
(1図以下△9四歩まで;5図)

この形は一見、▲2五歩と伸ばされると2筋の歩交換が防げないように見えます。しかし、▲2五歩とされても堂々と△9五歩と伸ばしてしまいます。

そうすると、▲2四歩から飛車先を交換される手が気になりますが、以下△同歩▲同飛に△8八角成▲同銀△3三角と切り返して大丈夫です。詳しくは別項で解説します。

結果的には▲2四歩が良くないので、▲7八金(▲2四歩以下飛車先を交換した時に角交換されて8八の銀が浮くのを防ぐ意味)△8八角成▲同銀△2二銀として、以下後手は4手目△8八角成の場合と似た様な進行になります。

△8八角成のところでは、他にも△3三角や△4二飛とする手も有るようです。


4手目△5四歩


最後はゴキゲン中飛車の始まりです。

(6図)
Gote_Gokigen_Nakabisha_1.jpg
(1図以下△5四歩まで;6図)

ゴキゲン中飛車も広い意味では、角交換振り飛車の中に入りそうですが、独立性が強いので別項目とし、ここでは、ゴキゲン中飛車模様から、変化した形の事を解説したいと思います。

6図からは▲2五歩がもっとも多いと思うのですが、それに対して△5二飛だと後手ゴキゲン中飛車になります。

ここで△5二飛の代わりに△5五歩と突くと、対中飛車横歩取り及び関連した戦型になります。

また▲2五歩に△3三角という手も成立するかもしれません。(参照サイト;将棋序盤戦略ノートゴキゲン中飛車 研究外しの△3三角


他には6図から▲2五歩では無く▲4八銀とされた時に、△5二飛や△5五歩では無く、△3三角や△8八角成から向かい飛車にする構想が佐藤康光先生によって披露されました。


  • 最終更新:2011-09-07 17:13:14

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